![]() | 能登といえば鰤。 今も昔も変わらず、12月頃に獲れる脂の乗った最高の寒鰤はたくさんの人に愛されています。 「こぞくら」・「ふくらぎ」・「がんど」・「ぶり」と 成長と共に名前を変える「出世魚」と呼ばれる鰤は、武士の間で縁起物として食べられてきました。そんな鰤の中でも最高級品の能登の寒鰤は ![]() 利家とまつでドラマにもなった 前田家 ![]() 京の都 など、地元だけでなく 遠方の人にも親しまれていました。 |
しかし、現在とは違いクール便など無い当時は、美味しい鰤を加賀や京の都に運ぶことは大変困難でした。 そこで、能登の黒滝城城主は家臣の細川刑部にどうにかして、この素晴らしい寒鰤を加賀や京の都に運ぶ方法を考えるよう命じました。 生のままで運ぶことは不可能。 様々な試行錯誤の結果、細川刑部が辿り着いたのが「塩漬け」と「藁と縄で巻く」という方法でした。 |
![]() | この方法が原型となり、能登では寒鰤をそのまま食べるだけでなく、保存食として塩漬けにし、藁と縄で巻いた「巻鰤」が生まれました。 ※一説です。 一時は伝統技術を継ぐ人がいなくなり、廃れるところでした。 しかし、昭和に入り「佐藤 次作」さんが伝統の巻鰤に注目し、再び作られるようになり石川県の七尾や金沢、さらに全国で販売されるようになりました。 |
冷蔵・冷凍庫ができて保存や配送が遥かに簡単になった現在においても昔ながらの技術で伝わる巻鰤の味わいはどんな料理にも負けない素晴らしいものです。 海の生ハムと評価する人もいるほどの噛めば噛むほど染み出す深い味わいが魅力の巻鰤を是非一度、ご賞味くださいませ。 | ![]() |